民法（相続）の改正 配偶者短期居住権
2018/12/18 10:47 格納先:民法
配偶者短期居住権とは，配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には，一定の期間，居住建物の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し，居住建物について無償で使用する権利のことです（民第1037条第１項本文）。
一定の期間は次のとおりとなります（民第1037条第1項第1号・第2号，第3項）。
配偶者が，配偶者短期居住権を取得しない場合は次のとおりとなります（民第1037条第1項但書）。
配偶者が，第三者に居住建物の使用をさせるためには，居住建物取得者の承諾が必要になります。
配偶者短期居住権が消滅する場合は次のとおりとなります。
一定の期間は次のとおりとなります（民第1037条第1項第1号・第2号，第3項）。
- 居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産分割をすべき場合には，遺産分割によって居住建物の帰属が確定した日または相続開始の時から６ヶ月を経過する日のいずれか遅い日（最低６ヶ月間は保障されます。）まで
- 居住建物が第三者に遺贈された場合や配偶者が相続放棄をした場合には，配偶者短期居住権の消滅請求を受けた日から６ヶ月を経過する日まで
配偶者が，配偶者短期居住権を取得しない場合は次のとおりとなります（民第1037条第1項但書）。
- 配偶者が相続開始の時に居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき。
- 配偶者が欠格事由に該当して相続権を失ったとき。
- 配偶者が排除によって相続権を失ったとき。
配偶者が，第三者に居住建物の使用をさせるためには，居住建物取得者の承諾が必要になります。
配偶者短期居住権が消滅する場合は次のとおりとなります。
- 配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき（民第1039条）。
- 配偶者が善管注意義務に違反して居住建物を使用し，居住建物取得者が配偶者にたいして配偶者短期居住権の消滅の意思表示をしたとき（民第1038条第1項・第3項）。
- 配偶者が居住建物取得者の承諾を得ずに第三者に居住建物を使用させ，居住建物取得者が配偶者にたいして配偶者短期居住権の消滅の意思表示をしたとき（民第1038条第2項・第3項）。